■ フクロモモンガのすすめ ■ フクロモモンガは、体長15cmぐらい(尻尾含まず)の大きな目が愛らしいペットです。毛が密に生えており、なで心地は高級毛皮よりも気持ちいいくらい。でも、それよりも気持ちいいのは、彼らが人を見分けて反応するところではないかと思います。フクロモモンガは、自分の好きな人を優先させるところがあります。家族の中でも特定の1人を好んで近寄っていったり、独り暮らしで飼っていたって遊びに来た友人への態度と飼い主への態度に違いがあったりします。 「家族全員好き、でも、中でもあなたが一番好き♪」 そんな態度を示してくれますので、いくら可愛がっても可愛がり足りない気分にさせられます。 もちろん、ただ飼っているだけでフクロモモンガに好いてもらうことなんてできません。毎日おいしいごはんを与え、ケージを清潔に保ち、いっしょに過ごす時間を作る。当たり前のことなんですけど、これらを愛情を持って行うことができなければ、好いてもらうのは難しいでしょう。 ■ フクロモモンガのごはんについて ■ 残念なことに、いまだにフクロモモンガのごはんについては間違った情報が流れています。フクロモモンガは、主食に果物を食べる動物です。ひまわりの種ではありません。リスやハムスターのエサを与えるのではなく、自分が食べるみかんやりんごなどの果物を与えてください。フクロモモンガのごはんは、6〜8割の果物と野菜類に2〜1割のたんぱく源、そしてカルシウム源が必要です。たとえば…、 みかんやりんごなどの果物:60% ブロッコリーなどの野菜:20% 豆腐や殻付きのゆで卵:10% (カルシウム源となるので、殻付のままゆで卵はあげましょう) ヨーグルトやカッテージチーズ:10% 私たちに好き嫌いがあるように、フクロモモンガにも好き嫌いがあります。いろいろな果物や野菜を与えて、好きな物を見つけてあげるといいでしょう。ちなみに、嫌いな物はお皿の端に避けるなんてもんじゃなく、エサ皿の外に投げ捨てることもあります(笑) ひまわりの種は脂肪分が高いのであまりお勧めはできません。どうしてもあげたいならば、週に1〜2度おやつとして与える程度にするといいでしょう。でも、おやつだったらミルワームの方が喜ばれる可能性は高いです。 野生のフクロモモンガは、果物だけでなく昆虫も食べています。昆虫を食べることでたんぱく質やカルシウムなどの栄養を補っているのです。生きた昆虫を与えることに抵抗のある人は少なくないでしょう。でも、喜ばれるおやつを与えたいと思うならば、ミルワームも検討してみてください。 なお、昆虫を与えないことで栄養面に不安を感じるならば、フクロモモンガ用の栄養補助剤をお勧めします。ゆで卵や豆腐、カッテージチーズなどでたんぱく質やカルシウムは補えるのですが、こういった食べ物が嫌いな場合にも栄養補助剤で補う必要があるでしょう。飲み水には普通のお水を与えますが、ときには人間の赤ちゃん用の果物味の粉末飲料もいいかもしれません。甘い味が好まれるようです。人間の赤ちゃん用の食べ物を与える場合には、添加物が入っていないものを選ぶようにしてください。探してみると、けっこういろいろフクロモモンガに与えられる物が市販されていたりします。 ■ オーストラリアの動物です ■ フクロモモンガのごはんについて間違った情報が流れているのは、「モモンガ」仲間がげっ歯類だからかもしれません。アメリカモモンガやタイリクモモンガといった「モモンガ」仲間はげっ歯類です。リスやハムスターの仲間です。でも、フクロモモンガはげっ歯類ではありません。オーストラリアに暮らす有袋類です。カンガルーの仲間です。 日本と同じ四季のあるオーストラリアに生息しているからか、あまり温度管理を必要としないので飼いやすいペットです。飼い始めの年だけは冬場の冷え込みや夏の暑さに注意する必要があると思いますが、徐々に慣らしていけば、私たちが快適と感じる温度で問題なく飼えます。 ただ、1点だけ注意をして欲しいのが直射日光です。フクロモモンガは夜行性の動物で、本来昼間は外を出歩きません。強い紫外線を浴びることはないのです。 ペットとして飼われているフクロモモンガは飼い主の行動時間に合わせて活動するため、日中に活動することが多くあります。でも、強い紫外線は必要ありません。木の葉の間から日光を浴びる程度に、レースのカーテン越しで日を浴びるようにするなど注意してあげてください。 野生下では樹の上で過ごしているフクロモモンガは、陸上にいる生き物に恐怖心を持っていないと言われます。樹の上で暮らしていると、自分たちが襲われる恐れのある相手は同じ樹の上にいる生き物や空から攻撃をしてくる生き物になります。それゆえに、自分たちよりも低い場所にいる生き物に脅威を感じることは少ないようです。 猫を飼っている方は、フクロモモンガぐらいの大きさのペットは猫が狙ってストレスを与えてしまうから飼えないと思われているかもしれません。ハムスターのように地上の生き物に脅威を感じる子たちにとっては、たしかに猫が狙っているだけでストレスとなるでしょう。でも、フクロモモンガは猫に狙われてもあまりストレスを受けることはないようです。猫が手を出さないようにだけ注意していれば、同じ部屋で飼っても問題ないと思います(フクロモモンガと猫の性格によりますが、猫がちょっかいを出してもまったく気にならない場合もあります)。 ■ 長くしっかり付き合えるペットです ■ 小さいペットは寿命が短いと思われがちですが、フクロモモンガの寿命は約10年あり、長くしっかり付き合うことができるペットです。ただ、残念なことに飼い方を間違えている方がまだ多いために、平均寿命を求めると5〜6年になってしまいます。ごはんの内容に注意し、衛生管理をしっかり行い、愛情たっぷりに毎日いっしょに過ごす。単純なことですが、これだけ守っていれば平均寿命よりは長生できると思います。それぐらい、フクロモモンガは飼いやすいペットです。 なりやすい病気というのも、実はありません。旬の果物を取り入れた栄養バランスをくずさない食事を与え続け、おやつは与えすぎないように注意していれば、たぶん病気知らずで一生過ごせるでしょう。 怪我については、室内で遊ばせているときの事故などで怪我をしてしまう恐れがあります。室内で遊ばせる場合には、ケージから出す前に怪我させてしまうおそれのある尖った物などは片付け、小さな隙間は入り込んでしまわないようにタオルなどでふさぎ、水難事故を防ぐために水のたまっている場所はないように(流しの洗い物は済ましてしまうなど)するといいでしょう。窓やドアがしっかり閉まっていることを確認するのも忘れないでください。 ケージ内におもちゃを入れすぎるのも注意が必要です。フクロモモンガ用のおもちゃというのは(たぶん)市販されていませんので、鳥用のものやリス・ハムスター用のものを使う方が多いと思うのですが、金具の隙間に足を挟んでしまうなどして怪我をするおそれがあります。楽しいケージを作りたいと思うものだとは思いますが、高さのあるケージに自然の木(枝)を数本入れておく程度のケージが一番安全かつケージ内の移動を楽しめる環境になると思います。ケージの底網も、幅が広くて足をひっかけてしまいそうに思えたら、外して使う方が安全でしょう。 可愛らしくて飼いやすいペットであるフクロモモンガは、初めて小さなペットを飼う方にお勧めしたいペットです。 でも、1点だけ警告があります。飼ったら最後、フクロモモンガのとりこになりますので、そこだけは覚悟して飼ってください。 ■ フクロモモンガに関する情報あれこれ(過去に書いた記事になります): フクロモモンガの飼い方・飼育法 フクロモモンガQ&A法 あるフクロモモンガの話 ペットとの絆 記:元オールアバウト小さなペットガイド 村田亜衣 |
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